写真解説・合気道入門/藤平光一/昭和42年/合気道も一挙手一投足の意味をもよく明かにしあとはそれに応じて反復練習することが大事である

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写真解説・合気道入門/藤平光一/昭和42年/合気道も一挙手一投足の意味をもよく明かにしあとはそれに応じて反復練習することが大事である

昭和42年 259P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

これらの人々に、合気道の正しい目的を説明し、正しい道を教えて、相ともに進み、実行して ゆくのが、私たち合気道指導の任にあてられたものの勤めなのであると気がついたからである。 「第二章において、合気道実技の動き方を説明したが、それと同時に、細かい心の使い方、動き 自体の意味、目的をもくわしく説明しておいた。 東洋と西洋とでは、同じ物事を熱心に学ぶについても、少しく差があるようである。 西洋では、なんでも理づめで納得してから行なうのに対し、東洋では、「屁理屈をいっている前 にまず行なえ、体当りでぶっかっているうちに自ら会得するものがある」という考え方がある。 禅では「汝自ら参じて知れ」というし、ヨガでも、難行苦行中、自ら会得させ、決して説明しな いそうである。

そのどちらにも一理があるのであるが、ちょっと間違うと、そのどちらにも弊害がある。前者 には、理だけを知っても行なわないという弊害を生じ、後者には目的地を誤るおそれが生ずる。 一例をあげよう。遠い道を、Aという景勝の地を見に行くとする。その道順を聞いてよく理解 し、「ああわかった」と返事をしても、いつでも行けると思って、ついに一歩を踏み出さなければ、その景勝を味わうことは出来ない。人にはその道順を説明することも出来ようが、本人の得るところはなんにもないのである。

その反対に、「理窟ばかり学んでも仕方がない、兎に角、歩けば、なんとかなるだろう」と出 かけてしまったら、どうであろう。運よく目的地に到着すれば幸いであるが、とんでもないとこ ろに迷いこんだり、また違ったところを目的地と誤認していい気になったりする弊害を生じょ う。「理を知って学ぶは、一日の長あり」という、最良の方法は、よく道順を聞いて、しかして そのとおりに歩むことである。

合気道も、一挙手一投足の意味をもよく明かにし、あとはそれに応じて、反復練習することが 大事である。一度や二度行なって、うまくできたからと満足してはいけない。潜在意識に深く植 えこませて、無意識のうちにも、理法どおりに行なえるよう、よく心身を練磨せねばならない。

本書が、既に、合気道に入門されている方々、またはこれから入門される方々に、右の目的で もって、お役に立ちうるならば、著者の望外の喜びとするところである。
合気道本部師範部長
九段藤平光一

お好きな方、お探しの方いかがでしょうか。

品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙傷、小汚れ、小破れ。ページ小黄ばみ、ややしみ。ご理解の上、ご入札ください。もちろん読む分には問題ありません。476803